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10-3-2 遺贈


(1)遺贈とは
遺贈とは、遺言により相続財産の一部または全部を無償で与えることをいいます(民法964条)。
例)「東京都千代田区霞が関一丁目1番1号の土地を長男の嫁である花子に遺贈する」
遺贈を行う人を「遺贈者」といい、遺贈を受け取る人を「受遺者」といいます。

(2)包括遺贈と特定遺贈
遺贈には、包括遺贈と特定遺贈の2通りの方法があります。
包括遺贈・・・財産の全部又はその割合を遺贈の目的にするもの
例)①「相続財産すべて」(の遺贈)
②「相続財産の2分の1」(の遺贈)

特定遺贈・・・個々に財産を遺贈の目的とするもの
例)①「東京都千代田区霞が関一丁目1番1号所在の土地」(の遺贈)
②「相続財産に属する預貯金の全部(特定された複数の財産)」(の遺贈)


(3)遺贈と「相続分の指定」、「遺産分割方法の指定」の違い
遺贈の相手は誰でもかまいません(法定相続人以外の人に対しても財産を与えることができます)。
相続分の指定・遺産分割方法の指定は、法定相続人に対してのみ財産を与えることができます。

(4)負担付遺贈
遺贈は、(包括遺贈・特定遺贈を問わず)、負担付きとすることができます。
例)長男の嫁に自宅を遺贈する代わりに、残された遺言者の妻の扶養・介護を行う義務を課す。
負担は、条件ではありません。従って、もし受遺者が負担を履行しなくても、遺贈の効果が取り消されるわけではありません。

(5)遺贈の有効性
次の場合に、遺贈は無効になります。
①受遺者の死亡
被相続人が死亡する前に受遺者が死亡した場合、遺贈は無効となります(民法994条)。
受遺者に相続人がいたとしても、相続の対象にはなりません。
②受遺者の欠格
受遺者は、欠格事由がある場合は、遺贈を受けることはできません(民法965条、891条)。
欠格事由について、詳しくは【相続欠格】をご覧下さい。

(6)遺贈の承認と放棄
遺贈を受けたくない場合、受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができます(民法986条1項)。その場合、遺贈は遡って効力を失います(民法986条2項)。遺贈の放棄については【遺贈の承認と放棄】をご覧下さい。

(7)(包括遺贈の場合の)遺産分割
包括遺贈の結果、ほかに相続人又は受遺者がいる場合は、遺産分割協議が必要になります。
例)「財産の4分の1を孫に遺贈し、残り4分の3を長男に相続させる」という遺言がある場合、長男と孫の間で遺産分割協議をして、誰がどの財産を取得するのか決める必要があります。
特定遺贈の場合は、受遺者が取得する財産は遺言により特定されているので、遺産分割協議は不要です。



 

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