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12-4-4 小規模宅地の特例


(1)小規模宅地の特例
土地の評価の際に、相続税に大きく影響するのが小規模宅地の特例です。
小規模宅地の特例が適用される場合、その土地の相続税評価額を相当割合減額することができます。
例えば、小規模宅地等の特例適用前に1億円の評価額の土地は、居住用宅地に関する小規模宅地の特例適用後は2000万円の評価額となります。
なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用をうけることはできません。


(2)限度面積と減額される割合
小規模宅地等の特例にはいくつかの種類があり、宅地等の利用区分に応じて限度面積と減額される割合が決まっています。これを表にすると以下の通りです。

< 改正前 >

相続開始の直前における
宅地等の利用区分
要件 限度
面積
減額
される割合
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 貸付事業以外の
事業用の宅地等
特定事業用宅地等に該当する宅地等 400
80%
貸付事業用の宅地等 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 400
80%
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200
50%
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200
50%
被相続人等の貸付事業用の宅地等 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200
50%
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 特定居住用宅地等に該当する宅地等 330
80%

< 改正後 >

相続開始の直前における
宅地等の利用区分
要件 限度
面積
減額
される割合
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 貸付事業以外の
事業用の宅地等
特定事業用宅地等に該当する宅地等 400
80%
貸付事業用の宅地等 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 400
80%
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200
80%
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200
80%
被相続人等の貸付事業用の宅地等 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200
80%
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 特定居住用宅地等に該当する宅地等 240
80%

(3)特定居住用宅地等とは
相続開始直前に被相続人等の居住のために使われていた宅地等については、次の要件に該当する親族が相続等により取得した場合に、330㎡を限度として土地の評価額が80%減額されます。

区分 特例の適用要件
取得者 取得者ごとの要件
被相続人の居住の用に供されていた宅地等 被相続人の配偶者 「取得者ごとの要件」はありません。
被相続人と同居していた親族 相続開始の時から相続税の申告期限まで,引き続きその家屋に居住し,かつ,その宅地等を有している人
被相続人と同居していない親族 被相続人の配偶者又は相続開始の直前において被相続人と同居していた一定の親族がいない場合において,被相続人の親族で.相続開始前􀀀 3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがなく,かつ,相続開始の時から相続税の申告期限までその宅地等を有している人(相続開始の時に日本国内に住所がなく,かつ,日本国絡を有していない人は除かれる。)
被相続人と生計をーにする被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 被相続人の配偶者 「取得者ごとの要件jはありません。
被相続人と生計をーにしていた親族 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住しかつ,その宅地等を有している人

(4)特定事業用宅地等とは
相続開始直前に被相続人等の事業(貸付事業を除く)のために使われていた宅地等については、次の要件に該当する親族が相続等により取得した場合に、400㎡を限度として土地の評価額が80%減額されます。


区分 特例適用要件
被相続人の事業を相続開始後に事業承継する場合(注) 事業承継要件 その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに承継しかつ,その申告期限までにその事業を営んで・いること
保有継続要件 事業を承継した親族が相続開始時から相続税の申告期限まで引き続き当該宅地等を有していること
被相続人と生計をーにする被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 生計一親族要件 被相続人の配偶者又は相続開始の直前において被相続人と同居していた一定の親族がいない場合において,被相続人の親族で.相続開始前􀀀 3年以内に日本国内にある自己又は自己の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがなく,かつ,相続開始の時から相続税の申告期限までその宅地等を有している人(相続開始の時に日本国内に住所がなく,かつ,日本国絡を有していない人は除かれる。)
事業継続要件 「取得者ごとの要件jはありません。
保有継続要件 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住しかつ,その宅地等を有している人

(注)事業を承継する親族は被相続人と生計がーであるという要件は必要ありません。


(5)特定事業用宅地等と特定居住用宅地等の併用
特定事業用宅地等と特定居住用宅地等との完全併用が認められます。貸付事業用宅地等を選択する場合には、適用限度面積の調整が必要となります。

貸付事業用宅地等の限度面積=200㎡-(A×200㎡÷400㎡+B×200㎡÷330㎡)

A:特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等の面積の合計
B:特定居住用宅地等の面積の合計


(6)特定同族会社事業用宅地等とは
相続開始直前に被相続人等で50%を超える株式を保有している法人の事業(不動産貸付業等を除く)のために使われていた宅地等については、次の要件に該当する親族が相続等により取得した場合に、400㎡を限度として土地の評価額が80%減額されます。


区分 特例適用要件
特定同族会社の事業の用に供されていた場合(注1) 法人役員要件 申告期限において,その法人の法人税法􀀀 2条15号に規定する役員(取締役􀀀 .執行役,会計参与􀀀 .監査役,理事,監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者をいい,清算人を除く。)であること(注2)
事業供用要件 当該宅地等を相続税の申告期限まで引き続き当該法人の事業の用に供していること
保有継続要件 当ーを取得した当該…続開一門期限まで引き続き有していること

(注 1)相続税の申告期限において清算中の法人を除きます。
(注 2)その宅地等を取得する親族は申告期限において役員であればよく,株主である必要はありません。


(7)貸付事業用宅地等とは
相続開始直前に被相続人等の貸付事業のために使われていた宅地等については、次の要件に該当する親族が相続等により取得した場合に、200㎡を限度として土地の評価額が50%減額されます。


区分 特例適用要件
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等 事業承継要件 その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに承継しかつ,その申告期限までその貸付事業を行っていること
保有継続要件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等 事業承継要件 相続開始の直前から相続税の申告期限まで,その宅地等に係る貸付事業を行っていること
保有継続要件 その宅地等を相続税の申告期限まで有していること�

(8)遺産分割が未分割の場合
小規模宅地等の特例を受けるためには、特例の対象となる宅地等について、相続税の申告期限までに誰が取得するのかが決まっている(遺産分割の合意が成立する)必要があります。対象となる宅地等が未分割の場合には、この特例を受けることができません。ただし、相続税の申告期限後に分割が成立し、必要な要件を充たしている場合には、この特例を受けることができます。



 

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