<<  7-1-6 相続放棄と限定承認の比較
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7-2-1 遺贈の承認と放棄

 

Q. 質問者 長年親しくお付き合いのあった方が最近亡くなりました。
私は、その方から感謝の印として遺言により不動産の遺贈を受けました。
思いがけない話であり、お気持ちとしては嬉しいのですが、相続人の方の気持ちを考えると、遺贈を受けることを辞退したいと思います。
私はどうしたら良いのでしょうか。

     
A. bengoshi 遺贈を放棄することができます。


 

(1)遺贈とは
遺贈とは、遺言により相続財産の一部または全部を無償で与えることをいいます(民法964条)。
例)「東京都千代田区霞が関一丁目1番1号の土地を長男の嫁である花子に遺贈する」
遺贈を受け取る人を「受遺者」といいます。

 

(2)包括遺贈と特定遺贈
遺贈には、包括遺贈特定遺贈の2通りの方法があります。
(a)包括遺贈
「包括遺贈」とは、財産の全部又はその割合を遺贈の目的とする遺贈をいいます。
例)

①「相続財産すべて」(の遺贈)
②「相続財産の2分の1」(の遺贈)

(b)特定遺贈
「特定遺贈」とは、特定の財産を遺贈の目的とする遺贈をいいます。
例)

①「東京都千代田区霞が関一丁目1番1号所在の土地」 (の遺贈)
②「相続財産に属する預貯金の全部(特定された複数の財産)」 (の遺贈)

 

(3)包括遺贈の放棄
(a)放棄の方法
包括受遺者による遺贈の放棄は、相続人による相続の放棄(【相続の放棄】)と同じ方法(すなわち、家庭裁判所に対する申述)によります(民法990条)。

(b)放棄の期限
包括遺贈の放棄が可能な期間は、受贈者が包括遺贈のあったことを知ったときから3ヶ月以内です。

 

(4)特定遺贈の放棄
(a)放棄の方法
特定遺贈の放棄の方法は、特に法律上の定めはなく、遺贈義務者(遺言執行者など)に対する意思表示によるとされています。

(b)放棄の期限
受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができ(民法986条)、包括遺贈のような期限の定めはありません。
したがって、原則としていつでも遺贈を放棄することができます。
ただし、遺言者が(遺言により)放棄の期間を定めているときは、その期間の制限に服すると考えられています。

(c)選択の催告
遺贈義務者その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができます(民法987条)。
受贈者がいつまでも遺贈を承認するか放棄するか決めないままでいると、遺贈の履行を行う義務のある人が困ることを避けるためです。

(d)催告があった場合
受遺者が上記の催告を受けた場合、遺贈義務者に対して、期間内に、遺贈を承認又は放棄する意思表示を行います。
受遺者が期間内に意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなされます。


 

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