Q.
共有物分割請求を受けました。現状維持はできますか。
A.
できません。共有物を現在使用していて、今後も使用を継続したい場合は、相手の共有持分を買い取る必要があります。
Q.
共有物を現在使用しています。相手の持分を買い取りたいのですが、お金がありません。
A.
不動産を担保に借入れを行うことを検討して下さい。
ただし、多くの場合、全額を借り入れで賄うことは難しく、ある程度の自己資金が必要となります。
また、すべての金融機関が貸付を行ってくれる訳ではありませんので、借入先の選択が重要です。
借入れを行うにも、借入先の審査を経る必要があるので、時間が必要です。
早めに弁護士に相談することをお勧めします。
Q.
持分の買取代金について、分割払いはできるのでしょうか。
A.
和解により解決する場合、持分を売却する側の共有者が分割払いを受け入れれば可能です。
しかし、分割払いは、支払を受ける側にとって途中で支払いを受けられなくなるリスクがある反面、何もメリットがないので、普通の人は、分割払いを受け入れません。
まずは借入れを行うことを検討して下さい。
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Q.
裁判所で話し合いが付かない場合、どうなりますか。
A.
裁判所が判決を下します。
裁判所が下す判決の内容は、原則として、「共有物を競売し、代金を共有者間で共有割合に従って分割する」というものです。
ただし、共有者の1人が他の共有者の持分を買取ることを希望する場合は、「共有者が、裁判所が決める相当な対価を支払って、他の共有者から持分を買い取る」という内容の判決を下します。
この場合、他の共有者の持分を買取るには、代金相当額の預貯金があるか、借入れにより判決後速やかに代金を支払うことができることを証明する必要があります。
Q.
私の持分を相手に売りつけることはできますか。
A.
あなたの持分を他の共有者に無理やり買わせることはできません。持分を手放して良いなら、競売を選択します。
近年は、競売でも相当な価格で売却できる場合も多くなっており、大きな問題はありません。
Q.
なぜ裁判所の外で話し合うより、訴訟をした方が早く解決できるのですか。。
A.
共有物を現在使用している共有者の多くは、現状に満足しているため、現状維持を望み、共有関係の解消に向けた話し合いに積極的に応じようとしません。
そのような相手と裁判所の外で話し合っても、話し合いはスムーズに進まないのは当然です。
裁判所で当事者が話し合いを拒むと、最終的には競売にならざるを得ません。そのことを理解するからこそ、話し合いが進むのです。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
そして、ご相談・ご依頼の後、多くのお客様の表情は、見違えるほど明るくなります。
まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲