被相続人の不動産は、相続財産の一部をなし、遺産分割の対象となります。遺産分割を行うまでは、相続財産である不動産は、法定相続人がその法定相続分に応じて共有しています。
相続財産の調査の一環としての不動産の調査の方法については、【不動産の調査】をご覧下さい。
相続財産の価額を基準として遺産分割を行う場合、分割時の実勢価格を基準とします。
もっとも、実勢価格はどこかに表示されているものではありませんので、これを知るためには、評価を行う必要があります。
不動産の評価は、不動産鑑定士による鑑定を行うことが正式な方法です。
ただし、鑑定には費用がかかるため、相続人全員の同意のもと、簡易な方法によることも可能です。
例えば、路線価や固定資産税評価額を基におおよその実勢価格を計算することができます。
東京23区内では、路線価が実勢価格の8割程度、固定資産税評価額が実勢価格の7割程度と言われています(反対に、地方では、実勢価格が固定資産評価額を割り込む場合もあります)。
従って、東京23区内では、簡便的に固定資産税評価額を0.7で(あるいは路線価を0.8で)割り戻すことで、おおまかに土地の実勢価格を把握することができます。
相続財産の中に自宅不動産がある場合、不動産に短期又は長期の配偶者居住権が設定される場合があります。 詳しくは【配偶者居住権】をご覧ください。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
そして、ご相談・ご依頼の後、多くのお客様の表情は、見違えるほど明るくなります。
まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲