9-1-6 相続人が行方不明の場合

9-1-6 相続人が行方不明の場合

Q.

相続人の中で行方不明の人がいるため、遺産分割協議ができません。どのように対応したら良いのでしょうか。

A.

まずは相続人を探して下さい。どうしても見つからない場合は、裁判所に不在者財産管理人の選任を申立て、不在者財産管理人が本人に代わって遺産分割協議を行います。

(1)相続人の探索

遺産分割の合意は必ず法定相続人全員で行う必要があり、仮に一部の相続人を除外した合意を行っても無効です。
従って、消息が不明な相続人がいる場合、市役所・区役所で住民票や戸籍を取り寄せ、住所の移転があればたどるなどの方法により、相続人の所在を探すことが必要となります。

(2)不在者財産管理人

探しても所在が分からない相続人がいるときは、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任の申立を行うことができます(民法25条1項)。不在者財産管理人とは、行方不明者など住所を不在としている人のために財産を管理する役割の人です。

不在者財産管理人は、裁判所の許可を得て不在者の代わりに遺産分割の合意を行うことができます。なお、不在者財産管理人の選任の代わりに、場合により、失踪宣告の申立を行うこともできますが、失踪宣告を利用することができる場合は限られているため、ここでは説明を割愛します。

(3)不在者財産管理人の選任の申立手続

不在者財産管理人の選任の申立を行うためには、裁判所に以下の書類を提出します。

①申立書
申立書の書式と記入例は、以下の通りです。
【申立書の書式】(裁判所ホームページより)
【裁判所ホームページ上の説明 】
②不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
③不在者の戸籍附票
④財産管理人候補者の住民票又は戸籍附票
⑤不在の事実を証する資料
⑥不在者の財産に関する資料
(不動産登記事項証明書、預金通帳、残高証明書など、不在者の財産の内容を知ることができる資料)
⑦申立人の利害関係を証する資料(戸籍謄本(全部事項証明書)、賃貸借契約書写し、金銭消費貸借契約書写し等)
申立書に収入印紙800円と郵便切手を添えて裁判所に提出します。

(4)不在者財産管理人の選任を行う場合に必要な時間と相続税の申告期限

不在者財産管理人の選任の申立を行ってから、実際に裁判所が不在者財産管理人を選任するまで、実務上数ヶ月かかります。その後、裁判所の許可を得て遺産分割を行うには、更に時間を要します。また、申立の準備そのものにも戸籍謄本の取得などに時間が必要です。 他方で、相続税の申告が必要な相続の場合、申告期限までに申告を行う必要があります【相続税のあらまし】。従って、相続税の申告が必要な相続の場合で相続人が行方不明のときは、相続開始後すみやかに申立の準備を開始する必要があるので注意して下さい。

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弁護士からのメッセージ

弁護士  加藤 尚憲

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