Q.
検認手続は、どのように行われますか。
A.
以下に流れを示します。
遺言書の検認の申立があると、裁判所は検認を行う予定の日時を決定し、法定相続人全員に通知します。
通知を受け取った相続人は、検認期日に出席しても出席しなくても自由です。参加しなかったからといって相続権を失うわけではありません。
ただし、検認は遺言書の原本を確認する機会になります。遺言書の偽造などが疑われる場合は、必ず検認期日に出席すべきです。
遺言書に封がしてある場合は、検認の際に相続人の立会のもとで裁判所が開封します(民法1004条3項)。
裁判所は、検認の際、まず検認の申立人に対して、遺言書を発見した場所や、そのときの遺言書の状態などについて質問します。
次に、裁判所は、検認期日に出席した相続人全員に対して、遺言書の筆跡が亡くなった方のものと似ているか、などの質問をします。相続人は、遺言の状態や、筆跡について意見がある場合はその場で述べます。
検認手続が終了すると、裁判所は遺言書に検認済みの印を押して申立人に返却します。
裁判所は、質問の答えや、遺言書の状態を書面に残し、遺言書や封筒のコピーなどとともに、「検認調書」と呼ばれる書面にまとめます。相続人は、裁判所に検認調書の謄本の交付を申請することができます。一般的に、検認手続の日から検認調書ができるまでに数日かかります。
検認手続の終了後、裁判所は、検認手続が終了した旨の通知を行います。ただし、遺言書の内容を知るためには、検認調書を入手する必要があります。
遺言書の検認期日の通知を受け取った時点で、遺言書の偽造などが疑われる場合は、当日の対応などについて、あらかじめ弁護士に相談することを強くお勧めします。検認手続さえ終われば、たとえ遺言書が偽造であったとしても、すぐに登記などに着手することができてしまうからです。また、弁護士に依頼し、代理人として検認期日に出席してもらうこともできます。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
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これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
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弁護士 加藤 尚憲