13-5-2 戸籍の作成年月日の判定

13-5-2 戸籍の作成年月日の判定

Q.

現在、被相続人の戸籍謄本を出生まで遡って取り寄せているところです。
取り寄せた戸籍謄本に作成年月日が記載されていないため、その戸籍がいつできたものか分からず、本当に被相続人が生まれた時の戸籍まで遡ることができているか分かりません。
出生時の戸籍かどうかは、どうやって判断したら良いのでしょうか。

A.

場合によりますので、説明します。

(1)戸籍に編製年月日の記載がある場合

戸籍簿を新たに作成することを「編製」と言います。戸籍に、その戸籍の編製年月日が記載されている場合があります。
例えば、被相続人である太郎さんの戸籍謄本を出生まで遡って取得している際に、太郎さんのお父さんの良太郎さんが戸籍筆頭者である戸籍が見つかったとします。そして、その戸籍に「昭和弐拾六年壱月拾参日夫婦につき本戸籍編製」と記載されているとします。その戸籍簿は、良太郎さんの結婚により、昭和26年1月13日に編製されたものであることが分かります。
他方、太郎さんの生年月日が昭和28年5月3日だとします。
戸籍の編製年月日と太郎さんの出生年月日を比較し、戸籍の編製日の方が日付が古いため、太郎さんの出生まで遡ることができた(すなわち出生時の戸籍謄本である)ことが分かります。

(2)戸籍に編製年月日の記載のない場合(旧民法時代の戸籍)

残念な事に、戸籍に編製年月日を記載し始めたのは昭和23年のことで、それ以前の戸籍には編製年月日は記載されていません。
昭和23年より前に編製された戸籍については、戸籍に記載された編製原因(戸籍が編製される原因となる事実)を手掛かりに、その戸籍がいつ編製されたのかを見分けます。

(3)旧民法時代の戸籍の編製原因

昭和23年より前の時代(旧民法時代)は、戸籍は、戸主を中心とした制度でした。従って、戸主が代替わりをしない限り、戸籍が新しく編製されることは、あまりありませんでした。
例えば、現在は、結婚すると夫婦単位で新たな戸籍を編製することになりますが、昭和23年より前はそのまま妻が夫の戸籍に入りました。 旧民法時代における戸籍の編製原因は、以下の6つです。これらのうちのいずれかが必ず戸籍に記載されているはずであり、その編製原因が届出られたときがその戸籍簿が編製された時と判断されます。

①家督相続
②分家
③一家の創立
④廃家又は絶家の再興
⑤(他の市区町村からの)転籍
⑥戸籍の改製

(4)複数の戸籍の編製原因が記載されている場合(旧民法時代)

一つの戸籍に、複数の戸籍の編製原因が記載されている場合があります。そのような場合、その戸籍簿は最終の編製原因に基づき編成されています。
例えば、ある人の戸籍に、明治32年の家督相続と、大正10年の転籍が記載されていたとします。この場合、戸籍簿はより遅い時点で発生した大正10年の転籍時に編製されたと判断されます。明治32年の家督相続は、大正10年に戸籍簿が編製された時に、従前の戸籍簿から書き写された内容です。

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