被相続人は、遺言書で「相続分の指定」を行い、民法で定められた法定相続分と異なる相続分を指定することができます(民法902条)。
例)「(相続人が子2人の場合)長男太郎の相続分を相続財産の4分の3、二男次郎の相続分を相続財産の4分の1とする。」
相続分の指定は、相続人の相続分を法定相続分より多くすることも、少なくすることもできます。
被相続人は、相続分の指定を第三者(遺言執行者など)に委託することもできます。
例)「遺言執行者に対し、相続人の全員につき、その相続分の指定を行うことを委託する。」
遺言書による相続分の指定が遺留分に反していても、相続分の指定は有効であり、遺留分減殺請求の対象となるに過ぎません(最高裁昭和37年5月29日判決)。
例えば、長男と二男の二人が相続人となる場合、長男の相続分をなしとすることもできます。この場合、長男が遺留分侵害額請求を行わない限り、二男がすべてを相続することとなります。遺留分については、別途詳しく説明します(【遺留分】)。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
そして、ご相談・ご依頼の後、多くのお客様の表情は、見違えるほど明るくなります。
まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲