相続人の一部が被相続人から利益を受けた場合に、それが特別受益にあたるかについて裁判上争われた事例は多くあります。
参考のため、いくつかの具体的事例を挙げます。
(a)特別受益にあたるとされる場合
①結婚の際の持参金、結納金
②子供が独立する際に親に家を購入してもらった場合
(b)特別受益にあたらないとされる場合
①子供が親に結婚式の費用を出してもらった場合
②子供が親の資産、社会的地位を基準に普通と考えられる程度の高等教育を受けた場合の学費(京都地裁平成10年9月11日判決)
③子供が親に嫁入り道具の支度を調えてもらったが、金額が不明で通常の婚姻の支度を超えたものではない場合(京都家裁平成2年5月1日審判)
④遺族の生活保障を目的とする遺族年金を受け取った場合(東京高裁昭和55年9月10日決定)
⑤相続人が生命保険の死亡保険金を受け取った場合
ただし、保険受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存在する場合は、(注:特別受益として)持戻しの対象となる(最高裁平成16年10月29日決定)。
特別受益に関する裁判例は、同じような事例でも、裁判所の判断が分かれることが多く、必ずしも裁判所の判断基準が確立されているとは言い難い状況にあります。
上記の例に照らしても、特別受益にあたるかが不明な場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
そして、ご相談・ご依頼の後、多くのお客様の表情は、見違えるほど明るくなります。
まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲