ある人の父母、祖父母、曾祖父母など、直系の祖先をその人の「直系尊属」といいます。
直系尊属は、第2順位の法定相続人として、被相続人に直系卑属のいないときに限り、第3順位の兄弟姉妹に優先して法定相続人となります。
直系尊属のうち、法定相続人になるのは被相続人から見て最も親等の近い人だけです。
例えば、父母のうち1人でも生きていれば、父母が直系尊属の法定相続分すべてを相続し、(父方、母方を問わず)祖父母は法定相続人にはなりません。
直系尊属の法定相続分は、次の通りです。
法定相続人- 直系尊属と配偶者
配偶者 2/3 ■
直系尊属 1/3 ■
① 家族の紹介
太郎さんのお父さんの良太郎さんは既に亡くなっていますが、お母さんの和子さんは健在です。
太郎さんと花子さん夫婦には子供がいません。
②太郎さんの遺産分割
ある日、太郎さんが病気で亡くなり、
花子さんと和子さんが残されました
これから太郎さんの相続財産について
遺産分割協議を行います。
誰が法定相続人となるのか、そしてそれぞれの法定相続人の法定相続分はいくらかが問題になります。
①法定相続人
太郎さんの法定相続人・花子さん、和子さんの2人
②法定相続分
花子さんの法定相続分・ ・ ・ 2/3
和子さんの法定相続分・ ・ ・ 1/3
①法定相続人について
配偶者である花子さんは必ず法定相続人になります。
太郎さんには、第一順位の血族相続人である直系卑属がいません。従って、第二順位の血族相続人である直系尊属である和子さんが法定相続人になります。
②法定相続分について
配偶者である花子さんの法定相続分は3分の2、直系尊属である和子さんの法定相続分は3分の1となります。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
そして、ご相談・ご依頼の後、多くのお客様の表情は、見違えるほど明るくなります。
まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲