世の中にある「遺言書」は、すべてが法的に有効なものとは限りません。
なぜなら、遺言書が有効となるためには、一定の形式を満たすなど、民法が定めた要件にかなうものである必要があるからです。遺言書がこれらの要件を満たさない場合、遺言書は無効となります。
遺言書が無効となる場合は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、遺言書の形式を理由とするものです。遺言書は、必ず法律の定める形式(方式)に従って作成する必要があり、適式でない遺言書(形式に従わない遺言書)は無効となります。詳しくは、【 遺言書の適式性 】でご説明します。
2つ目は、形式以外の実質的な理由により無効となる場合です。これについては、以下でご説明します。
遺言書は、以下のような場合に無効となります。
①遺言能力がない場合
【 遺言能力 】で詳しく説明します。
②遺言代理の禁止に違反している場合
遺言は本人が作成する必要があり、代理人が作成することはできません。
③意思と表示に不一致がある場合
遺言が心理留保(民法93条)、虚偽表示(民法94条)、錯誤(民法95条)にあたる場合です。
④遺言の内容により無効となる場合
・遺言の目的を達することが不能な遺言
・違法な遺言
・遺言の目的が反社会的な遺言
がこれにあたります。不倫関係の維持継続を目的とする遺言を無効と判断した例があります(大判昭和18年3月19日)。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
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まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲