贈与者の死亡時に贈与の効力が生じる贈与契約を「死因贈与」といいます。
死因贈与は契約であり、遺言により行うものではありませんが、遺贈と効果が類似しているので、この章で説明を行います。
死因贈与において、財産を贈与する人を「贈与者」といい、財産の贈与を受ける人を「受贈者」といいます。
死因贈与と遺贈は、その成り立ちに違いがあります。
死因贈与は、贈与者と受贈者の間の合意(契約)により成立します。
遺贈は、遺言者が作成する遺言により行います。すなわち、受遺者の意思は問われません。
死因贈与は、遺贈と同様、贈与者の最終の意思を尊重する見地から、原則として撤回することが可能です(最高裁昭和47年5月25日判決)。
ただし、「長男が父親に定期的に仕送りを行い、そのかわり父親が死亡したときは相続財産をすべて贈与する」という内容の死因贈与契約がなされた場合において、 受贈者の期待を保護する見地から、撤回を認めなかった裁判例もあります(最高裁昭和58年1月24日判決)。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
また、今後どうして良いのかや、結果が分からないため、「もやもやとした気持ち」に悩まされ続けます。毎年、沢山のお客様が、このような気持ちを抱えて当事務所にお越しになります。
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まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲