相続の対象となる財産を「相続財産」といいます。
相続財産は、被相続人が相続の開始時(すなわち死亡時)に有していた財産です。
相続財産に関する詳しい説明は、【相続財産とは】をご覧ください。
相続人にとって、被相続人が死亡時にどのような財産を有していたのかは、必ずしも明らかではありません。従って、相続人は相続財産を調査する必要があります。
相続人は、相続財産の調査の結果を前提として、相続の放棄・限定承認を行うか否かの意思決定を行います(【単純承認・放棄・限定承認の選択】)。また、相続財産は、遺産分割の対象となるほか(【相続財産とは】)、相続税の申告が必要な相続については、原則として相続財産全体が相続税の課税対象となります(【相続税のあらまし】)。
仮に相続財産の調査に漏れがあった場合は、遺産分割協議を別途行ったり、相続税の申告をやり直したりしなければならない場合もあるため、調査は確実に行う必要があります。
相続財産の調査の方法は、相続財産の種類によって異なりますので、このサイトでも相続財産の種類ごとに項目を分けて説明します。
相続財産の調査は、相続後3ヶ月以内を目安に相続財産を調査の上、その価値について概算を行います。
3ヶ月の目安は、特に相続財産の中に消極財産が多い場合に当てはまります。なぜなら、消極財産が積極財産を上回る場合は、相続放棄や限定承認を行う可能性が高い一方で、相続放棄や限定承認は相続人が自己のために相続の開始を知った日から3ヶ月以内に行う必要があるからです(【単純承認・放棄・限定承認の選択】)。
また、被相続人が遺した遺産が相続税の基礎控除(5,000万円+1,000万円×法定相続人の数)*を上回る場合には、相続税の申告が必要となります(【相続税のあらまし】)。
相続税の申告は、相続の発生の翌日から10ヶ月以内に行う必要があり、相続税申告の準備を開始するためにも早いタイミングで、相続財産の価額の概算を算出して相続税申告の要否を判定する必要があります。
*平成27年1月1日以降に発生する相続については、基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数となります。
相続財産の調査は、原則として相続人が自ら行いますが、調査を漏れなく行うためには、専門家に相談する方が確実です。特に、相続の放棄や限定承認を検討する場合や、遺産分割協議書の作成を弁護士に依頼する場合には、これらの作業に付随して相続財産の調査を弁護士に依頼することができます。
弁護士からのメッセージ
相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
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まだ問題が解決していなくても、直接交渉のストレスから解放され、問題が解決していく道のりを知るだけで、気持ちは大きく変わるのです。
これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
あなたもストレスや不安な気持ちに別れを告げるために、思い切って一歩を踏み出しましょう。ご相談をお待ちしています。
弁護士 加藤 尚憲