Q6. 公正証書遺言と自筆証書遺言の比較

Q6. 公正証書遺言と自筆証書遺言の比較

Q3. 遺言書の作り方

Q.

公正証書遺言は、どのようにして作成するのでしょうか。

A.

以下をご覧ください。

公正証書遺言 自筆証書遺言
①不備がない
公正証書遺言は、公証人が関与して作成するものであるため、自筆証書遺言のように、方式の不備のために無効となることはまずありませんし、遺言の解釈をめぐって争いになることも稀です。
①無効となる危険性
自筆証書遺言は、専門家が関与せずに作成されることが多く、遺言者が方式を知らないために無効となることが少なくありません。 また、無効とはならなくても、遺言の趣旨が明確でなく、複数の解釈がありうる場合には、かえって紛争を招く可能性があります。
②公証役場で原本を保管
公正証書遺言は、公証役場において原本が保存されるため、紛失したり、親族等が隠したり、捨てたり、勝手に書き換えたりするということがありません。 また、作成の際に本人確認を行うため、遺言者本人が作成したかどうかという争いが起きる可能性がほとんどありません。
②紛失、隠匿、偽造・変造のおそれがある
(公正証書遺言と異なり)自筆証書遺言は、1通のみしか作成されず、保管方法もまちまちです。遺言書を発見した相続人が、自分に不利益であることを憂慮して、遺言書を捨てたり隠したりする危険性があります。 また、客観的な立場の第三者が作成に関与しないため、本人が作成した遺言書であることの証明手段に乏しく、遺言書の内容が気に入らない相続人から、「遺言書は偽物である」との言いがかりをつけられる可能性があります。
③検認が不要
公正証書遺言は、遺言執行の際に、家庭裁判所で検認を受ける必要がなく、ただちに遺言執行を行うことができます。
③検認が必要
自筆証書遺言は、遺言の執行(すなわち遺言の内容の実現)前に、家庭裁判所で検認を受ける必要があります(【遺言書の検認】)。 検認を受けるためには、被相続人の「出生から死亡までのすべての戸籍謄本」などの戸籍謄本類を裁判所に提出する必要があります(【検認の申立】」)。
④費用が必要
公正証書の作成費用が必要です。
費用の内容については、該当項目(【遺言書の作成に必要な費用】)をご覧ください。
④費用がかからない
自筆証書遺言は、作成費用がかかりません。

以上の通り、自筆証書遺言と公正証書遺言を比較した場合、公正証書遺言の方が格段に確実性が高いことが解ります。

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弁護士  加藤 尚憲

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