4-2-9 被相続人に未出生の子がいるとき

4-2-9 被相続人に未出生の子がいるとき

Q.

私と夫は結婚して5年になりますが、これまで子供がありませんでした。
ところが先日、病院で検査をした際に子供を身籠っていることが判明し、夫婦で喜びあっていましたが、その矢先に夫が事故で亡くなってしまいました。
この子が無事に生まれたとき、子供は夫の法定相続人となりますか。

A.

なります。

(1)胎児の相続

胎児は相続との関係では既に生まれたものとみなされ(民法886条1項)、胎児も法定相続人となります。
ただし、死産だった場合は相続人とはなりません(民法886条2項)。

(2)胎児の法定相続分

胎児の法定相続分は、既に生まれている子と同じです。

(3)胎児と遺産分割協議

胎児は法定相続人になっても、自分で遺産分割協議を行うことができません。
従って、遺産分割の手続については、未成年の相続人と同様に代理人が必要となります。
胎児が相続人となる場合、通常は、胎児の母も相続人となります。その場合は、利益相反が生じるため、裁判所に特別代理人の選任の申立をする必要があります。

法定代理人による遺産分割については、【相続人が未成年者の場合】をご覧ください。

弁護士からのメッセージ

相続のトラブルについて自分で相手と直接交渉すると、感情がからみ、ストレスが溜まります。
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これは、登山の途中で、山道の続く先に山頂を見付けた時の気持ちと同じです。
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弁護士からのメッセージ

弁護士  加藤 尚憲

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